生徒からきた数学、物理の質問 物理編 そもそも科学的とは何か

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前回の続きです。数学との比較として、物理について、公式や定理がどのように得られているのかについて説明します。

科学的とは何か

まず、物理学とは、自然科学の一分野です。科学という分野で、よく科学的、非科学的という言葉を聞きますが、この科学的ってなんでしょう?例えば、数学は科学的な学問でしょうか?宗教はどうでしょう?科学と宗教とはどのように区別されているのでしょうか。また、世の中にはインチキ臭い科学が大量に存在します。そのような、いわゆる疑似科学と科学はどのように分かれているのかを最初に説明します。

再現性と反証可能性

自然科学の理論構築において重要なものが2つあります。
一つが再現性、もう一つが反証可能性です。前者は科学的なものであれば当然持っているべき性質で、後者は非科学的な性質のものを弾くための性質です。少し詳しく説明しましょう。

再現性とは

再現性とは読んで字の如く、理論で予言されていることや、実験で得られた結果をほかの人が「再現できる」ことを指します。
最近、STAP細胞という夢の万能細胞が得られたという論文が出た後、その後その論文には捏造があるとして、論文は撤回されました。
科学の世界にいない方からすると「この論文に不備があったとしても、STAP細胞という夢の万能細胞は実際発見されていたかもしれないし、その発見が間違いだったとしても、いつか同じものが見つかるのではないか」という意見があるかもしれません。

しかし、科学者がこのSTAP細胞について否定しているのは、論文の捏造は勿論、論文で言われているSTAP細胞を他の研究グループがいくら作成しようと実験したところで、全く作れないところにあります。つまり、再現性がないのです。
再現性の無い結果は一般的に科学的根拠として認められません。「私が祈ったら、神が現れてSTAP細胞をもたらしたのです。神が現れたのはその一回だけで、以降は現れていません。」というのと同等の主張でしかないのです。

反証可能性~何故神や幽霊の存在を語ることは非科学的なのか~

反証とは「ある仮説の間違いを証明すること」です。要は「ほら、ここ間違ってるじゃん」と証拠をつきつけることです。
よく、「反証可能性を有しないものは科学ではない」と言われたりします。つまり、現存する科学理論は、全て何らかの形の反証可能性を持っているわけです。
例を挙げると「太陽は東から昇り、西へ沈む」というのは、科学的な話です。何故ならば仮に「太陽が西からのぼり、東から沈む」というようなことが起きれば、反証されてしまうから、つまり反証可能性を有しているからです。
実際に反証されてしまうと、それは間違いということになりますが、このように「反証される可能性」というものを基本的に科学理論は持っています。

神や幽霊

例えば「神がいる」の反証は「神がいない」となります、当たり前ですね。しかし、神がいないことなど果たして証明できるでしょうか?このような「いないことを証明する」というのを、悪魔の証明と呼びます。何故なら「神がいること」は実際に神様を連れてくれば簡単に証明できますが「いないこと」はどうやったって証明しようがないからです。このように、反証可能性がないもの(どうやっても反証される可能性が0)なものについては科学的ではないとされます。
ここで勘違いする人がいるかもしれないのですが、「神や幽霊がいるなんてのは嘘っぱちだ」という結論になるわけではないです。
単に科学的対象になり得ないというだけです。個々人が信じるのは当然自由ですが、「幽霊の存在は科学的に裏付けられている」とか言い出したら嘘になるという感じです。

科学は不変の真理ではなく、現状反証されていない暫定的真実にすぎない

反証可能性があるということは、今の科学理論は将来的に反証される可能性があるということです。
未来永劫正しい可能性もありますが、明日にでも否定される可能性も決して0ではありません。

これは公理の真偽がされないため、一度証明されたことは永遠に否定されることのない数学と大きく異なるところです。

次週にでも書きますが、高校で習ったニュートン力学は、物体の移動速度が高くなると成り立たなくなることが知られていますし、物体が非常に小さくなった場合も、成り立たなくなります。これは、ニュートン力学から予想されない実験結果が高い再現性を持って示され、反証されたからです。

まとめ

・科学とは、再現性と反証可能性があるものでなければならない。
・神や幽霊は、その存在がいることを再現することも出来なければ、いないことを証明する手段そのものがないので、反証可能性もなく、科学の枠組みで語る対象から除外される。
・全ての科学は将来的に反証され、「実は間違っていました」という可能性を否定はできない。

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堤健之

堤健之

個別指導塾WAYS 吉祥寺教室 室長 教育で感銘をうけた言葉は山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

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